特定調停

特定調停とは、簡易裁判所の調停委員が債権者と債務者の間に入って、話し合いにより借金整理を行っていく方法です。つまり、裁判のように争うわけではなく、3者間での話し合いで合意を目指す方法です。直接債権者と債務者が顔を合わせるわけではなく、調停室に債権者と債務者が交互に入室し、お互いの主張を調停委員に話します。特定調停では借金を利息制限法18%(元金が10万円以上100円未満の場合)に基づき計算し直して、元金の減額、利息を0%などに協議和解して、元金のみを無金利で約3年(36回)返済するよう話し合いで合意を目指します。

特定調停は、個人民事再生や自己破産とは違い、一部の債権者のみを整理することができます。連帯保証人、公正証書、車ローン、住宅ローンなどが付いているものを除いて整理をしたい場合に使うことができます。ですから、不動産や自動車などを所有していて、自己破産で手放すことになるのは避けたい場合に有効な債務整理の方法になります。

ただし特定調停の場合、消費者金融のように金利が利息制限法以上なところで借り入れをしていない場合には、借金は減額できませんし、元金を3年程度で返済していくことになりますので、多額な借金をしている場合だと月々の返済は難しくなる可能性があります。しかしながら、例えば借金が400万円、金利29%だとすると年間116万円も金利がかかっており、月に計算すると約9万7千円が金利なのです。ですから9万7千円以上返済してはじめて元金が減っているということになります。この金利を0%にするだけでもかなりメリットは大きいと思います。

特定調停は他の債務整理方法に比べて借金が少なめのときに利用されることが多いのですが、毎月の返済額としてどれくらいの金額を捻出できるのかをきちんと調べておかないと、特定調停をやってすぐに返済が滞ってしまうケースもあります。3年間は同じ金額をずっと払い続けなければならないわけですから、手続をとる前こそ慎重であるべきです。一度手続を始めてしまうと後戻りはできませんから、可能であればその前にご相談いただくことをお勧めいたします。

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特定調停のメリット

  • 特定調停の申し立てを簡易裁判所に受理してもらうと、債権者の取り立て行為が一時的に止まる。
  • 特定調停期間中(2〜3ヶ月)は債権者への返済を止められる。
  • 一部の債権者だけを選んで整理することができる。
  • 自己破産のときと違い、国が発行する機関誌である「官報」に掲載されたりはしない。
  • 比較的誰にも知られずに借金を整理できる。
  • 減額されて残った元金を無金利で3年払いにできる。また、その際の金利は0%になることがほとんど。
  • 通常、毎月の返済額は現状より少なくなる。

特定調停のデメリット

  • 特定調停で決まった金額を3年間遅滞なく返済できなければ一括請求される。
  • 個人信用情報機関に借金完済後から5〜7年間は登録される。この期間は借入れやローンを組めない、連帯保証人になれない。
  • 必ず特定調停が成功するという保証はない。(あくまで話し合いによる合意が基本なので、債権者が必ず債務者の主張に応じる必要がない)
  • 調停委員により判断がまちまちなため、状況が更に悪化する場合がある。
  • 裁判所に平日の昼間に行かなければならないので、仕事をしている人にとっては使いづらいことがある。